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先日、たまたま検索に出てきて知った本。

それが、吉田潮さんの『ふがいないきょうだいに困ってる 「距離を置きたい」「縁を切りたい」家族の悩み』だった。

何をどうしてこうなったのかといえば、友人と家族の話をしていたのがきっかけで。

「お互い苦労しているなー」と思う一方で、私は最近になってようやく家族のために苦労するのをやめようと思い、実行に移していた。それで、友人にも苦労を手放すきっかけを持ってほしくて、良い方法を伝えたくて検索して見つけたのだった。

この記事の目次

どんな本なのか?

この本は、著者の吉田潮さんがお姉さんに対してふがいなさを感じたことから始まっている。

他、ふがいないきょうだいを持つ人々を取材し、そのふがいないエピソードを病気、お金、暴言、宗教と大別し、各章の最後に専門家の解説や対処法などを入れてまとめた本である。

それぞれのエピソードは、「これは親族のあの人…」「これはきょうだい…」「これは…」などと思い当たりながら読み進めた。

しかし一方で、私自身もきょうだいから見たらふがいないのでは…と思った。吉田さん自身も、きょうだいから見たらふがいないのかもしれないと書いていた。私はきょうだいが思い描くように振る舞っていない。(今現在私がきょうだいにどういう態度を取っているかは後述するので時間があれば最後までどうぞ。)

そして、エピソードに対する精神科医、弁護士、心理カウンセラーといった専門職の方の解説や対処法が、まさにふがいないきょうだいに困っている人の助けになる。けっこう具体的なアドバイスだったので、困っている人は読んでほしい。

とくに印象に残ったところ

私は3章の終わりで「家族の役割を手放してみる」という項目に載っていた、自分でも気づかないうちに、自分を後回しにして演じてしまう役割による犠牲パターンがとても興味深かった。

代表的なパターンは5つあって、①ヒーロー、②殉教者、③問題児、④チャーマー、⑤孤児(幽霊)。

くわしいところは本書を読んでいただくとして、自分の備忘録を兼ねて少しキーワードを書いておく。

①ヒーローは、家族の大黒柱的存在で、親の期待に応えようとするが、失敗すると③問題児や⑤孤児(幽霊)になる。

②殉教者は、家族のために身を粉にして働くが感謝されず、結婚願望がない人も少なくない。

③問題児は、非行や犯罪、病気や障害で家族の結束を固めたり、外からの援助を呼び込む役割を担う。

④チャーマーは、愛されキャラで末っ子に多く、本人は満足どころか疲れている。

⑤孤児(幽霊)は、自分がいない方が良いと考え、気配を消すか、傍観者を決め込む。

これはまず、小学生の頃、自分ときょうだいがどの役割を引き受けていたか思い浮かべ、それを手放すところから始めるそう。

自分が役割を手放すことで、きょうだいが別の役割になる可能性があり、自分らしい生き方を選び、犠牲的にやらないことが大事。

取材を受けてくれた人は圧倒的に②殉教者が多いと吉田さんが振り返っていたが、私も同じ印象だった。

そして、私自身もまた殉教者だったな…と思った。まず、本当に結婚は考えていなかった。理由の筆頭は親だが、間接的にはきょうだいも理由となっていた。(そこも後述する。)

自己肯定感の低さにまさかの理由

また、精神科医の先生による、「幼少期の性的虐待の経験が自己肯定感の低さにつながっていることが多い」という話。

男性に対する恐怖。自尊心の低さ。仕事を断れない。顔色をうかがって自分を出せない。

自分は汚れている。周りから受け入れてもらえるはずがない。人を信じることができない。

おそらく相手は好奇心でやったのだろうけど、やられた側には根深く残り、一生を蝕む。

自分の生きずらさの原因を知り、そこから前を向いたとしても、誰かに話すところまではなかなか難しいと思う。

きょうだいは助け合わなくていい

この本から得たことを一言で言うと、「きょうだいは仲良く助け合わなくていい」。

心の重荷や罪悪感が晴れていく思いだった。私は私の人生を、私を優先して生きていいんだ。

*****

ちなみに、この本の序章は光文社さんのnoteで読むことができる。そちらもぜひお読みいただきたい。

「きょうだい」は助け合わないとダメですか? 一緒に考えよう、家族のこと。

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amazonの商品ページでも内容が紹介されているのでよかったらどうぞ。書影から飛べます。

自分語り。

私がしていた苦労の主たるところは、親への仕送りと、きょうだいからの頻繁に届くどうでもいいLINEに律儀に時間をかけて返信すること。

いや、もっと根本的なところから精神的に苦労させられてきたことがこの本でわかったが、そこまで書くのはまた別の機会にしようと思う。

というわけで、以下、私の自分語りである。まずはきょうだい、そのあと親について。

きょうだいに対する苦労と対処法。

私のきょうだいは結婚と離婚を繰り返している。その間に子供も複数人できている。きょうだいは何かにつけて子供を理由に金銭を求めてくるところがあり、最初のうちはお祝いを贈ったりもしたが、子供のいない私は贈るばかり。子供ができたら返してやるというようなことを言われたことがある。

最初の子供を溺愛しており、離婚するときに親権が取れず、子供と会う時間が急減したときは、死んでしまうのではないかと心配になる程の落ち込みようだった。このとき、私は何時であろうとLINEのメッセージが来れば返信し、できる限りのフォローをした。

しかし、あとになって振り返ってみれば、他に送る相手がいないときの暇つぶしだったのかもしれない。

きょうだいは、別居した時点で浮気に当たらないと弁護士の言質を取り、新しい出会いを求めて複数人と会っていた。離婚が成立したあとすぐに新しい命の芽生えを成立させ、また結婚。親が「最近、連絡が減ったし、返信が無い」と私に心配のLINEを送ってきていたが、本人はいろいろな人としっかりやり取りして楽しく過ごしていたのだろう。

生き延びたのだから良かったと思っていたのだが、その後、私が家族問題で悩んだときの態度で私はようやく目を覚ますことになる。

私の悩みに対し、「うちは家庭環境が悪かったから、お前の考えが間違っている」「それくらい受け入れろ」という返答。きょうだいが落ち込んだときにフォローしたのは私が元気になってもらいたくてしていたことで、見返りを求めてはいけないのはわかっている。

そのことは別にして、こっちの話、何も聞くつもりないんだなと。結局、きょうだいにとって私の存在はそんなものなのだ。

それから、小さいころにやられたこと、だまされたことなど、封印していた記憶まで思い出し、全体で見ると、関わっているとマイナスだと判断した。

今は突然送られてくる子供の写真や動画は、LINEスタンプで済ませている。何も書き添えていなくて送ってきた意図がわからないことが多いのだが、聞かないようにしている。

親に対する苦労と対処法

親に対しては、育ててもらった恩がある。

大学は奨学金を使い、社会人になってから自力で返済した。在学中はアルバイトを掛け持ちし、卒業旅行や就職活動に必要なものなどを自力で賄ったが、それでも大学へ行かせてもらったという意識があり、ずっと仕送りをしていた。

きょうだいは子供を理由に親の問題から逃げるため、私は自分が親の面倒を見なければいけないと思っていた。

親の面倒がもれなくついてくるから、こんな状態で結婚はできない。親の面倒を見なくてはいけないから、安定した収入を得るため会社を辞められない。

そう思っていたが、私もそれなりの年齢になり、自分の老後も考えていかなくてはいけない時期が来た。

実は仕送りに対して、親は「別にいいよ」と言ってくれていたが、働けなくなってからは「助かるよ」と言うようになり、いよいよやめられない雰囲気になってしまった。

子育てであれば、子供が成人するまでなど期限が見えるが、親に対する資金援助や介護は終わりが見えない。

親を見送った後で、子供のいない私は、親と同じように子供を頼ることはできない。

そこで、考えた。

・私は親を理由に、やりたいことをやらずにいて、親を怨むのか?

・やりたいことをやってもうまくいかないかもしれない。踏み出さない理由を親に求めていないか?

・親は年金をもらうようになっている。親のお金の使い方を見直してみてはどうだろうか?

そして、親の生活の収支を見たところ、

 

……赤字だということがわかった。

 

絶望しかけたが、無駄に見えることがあったので指摘させてもらい、少ないながらも貯金があったので、仕送りはやめた。

きょうだいからは「それくらい」と言われたが、そもそもきょうだいは全く金銭的援助をしていない。むしろ、こんなに困窮している親にいまだに出させている。そんな人の意見は聞く必要が無い。

とはいえ、私名義で契約しているものは今も私が支払っているし、頼まれれば調べものをしたり、ネットで買い物をすることはある(が、少しずつ親に係る出費を抑えるようにしている)。

その後、親はどうかというと、貯金を切り崩しているのかもしれないが、特に何も言ってこない。

この先どうなるかはわからないが、今のところはこのままで、自分のために使うことに決めたお金を大切に使っていこうと思っている。

最後に。

この前、ブログは1000文字くらいでさっくり書いていこうと思ったのに、これである。(もう少しで4000文字)

最後まで読んでくださった方がいましたら、ありがとうございました。

私は親やきょうだいに対して、距離を置けるようになってからこの本を読んだので、客観的に読むことができたように思います。

でも、自分の身にすごく覚えのあるところを読んだあとはしばらくちょっと様子が変だったかもしれません。

書いて出したので、少し落ち着きましたが、そんな私に何も聞かずにいてくれた夫に感謝して、今回の記事を終えたいと思います。

いつもありがとう!

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