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2025年、夏。
LINEマンガアプリで『ダーウィンズゲーム』が無料開放―――!?
びっくり。
過去に途中まで読んで、最後ら辺はちょっと飛び飛びに読んで…という作品だったので、読んでないところを探しながらの再読。
いや、これ、作者さま方、すごい構成力と表現力で驚きます。
しかし。アニメ化もされているのに、いまいち話題になってない……???
こんなに面白いのに!!
うーん…
もしかしてちょっとグロもあるからかな
それは否めないかも…! 最初ホラーっぽい始まりですからね。
でも、勧めたいので書くよ!&自分の備忘録にするよ!
この記事の目次
ざっくり流れ。
普通の日常を送っていた高校生の主人公、須藤要(スドウカナメ)が、友人からもらったメールのリンク先『ダーウィンズゲーム』を始めたことで生死を賭けたゲームに巻き込まれていく…というのが導入部分。
その後、ゲーム内のイベントに参加していくことで、このゲームをつくった人物(ゲームマスター)の思惑や、この世界の仕組み、謎の生物グリードとの世界の存続を賭けた闘いへとガンガン話が広がっていきます。
この先どうなっちゃうの!? という怒涛の展開を、主人公が機転を利かせながら闘い抜いていく様がとにかくカッコいい。
最初、主人公は何もわからないままゲームを始め、訳がわからないまま最初のバトルがスタート! これが怖い!!!
地元球団のマスコットキャラクターの着ぐるみが包丁を持って襲ってくる上に、姿が消える!!! どこからやられるかわからない状況で、敵の裏をかき、逃げまくり、最後は運を味方につけて勝利します。この展開がリアルで怖い。
ゲームを始めると、突然画面から蛇が飛び出して首筋を噛み、ゲーム参加者は特有の異能(シギル)を授かるのですが、主人公は何も知らないので最初のバトルは異能を全く使いません。
この、異能を使わず機転を利かせて勝利するという主人公の特性が、物語の要所要所でとにかく利いて…最後は世界を救います。
急にまとめたな!
いやホントに、あちこち救ったよね。
ちょっと他の漫画の話も。
ところで、こういった「ゲームを始めたら突然みんな超能力が使えるようになっちゃう漫画」は、仕組みをどう説明しているのでしょう?
LINEマンガの感想コメントで他にもこういう超能力バトルやタイムリープ(といっていいのかな?)するマンガがあって、何かを組み合わせたような感じだと書いてるのを見かけましたが、知らないマンガだったので比較できず。
ゲームを始めたら超能力が使えるようになるバトル漫画だと、『ウェルベルム』を読んだことがあるのですが…
ん?
…「ゲームアプリを作った人物が、神に匹敵する力を持つ」のは同じ?
やっぱり神のような存在じゃないと難しいですよね。。
この世界のどこかに世界の守護者として、常世を生きている、もしくは異なる時間軸を生きている誰かがいるってファンタジーですよね。
念のため、ゲームを作った理由は違うし、もちろん展開も違うし、出てくるキャラクターも、ラストも違うので、『ウェルベルム』も読んでみてください。
こちらも「あれが伏線か…!!」と唸って読み返したくなる(読み返した)漫画です。
『ダーウィンズゲーム』は要素てんこもり。
話を『ダーウィンズゲーム』に戻します。
この作品は作者さん達がすごく知識豊富で、パズルみたいなストーリー展開に、細かい所までしっかり描き込まれた画面のカッコよさに感服します。
何気なく読んでいたところが伏線なことが多くて、今回ほぼ再読したら「ここがあれにつながるのか!」とか「あ、それでこうしてるのか!」と発見が多く、
2~3回読むことをお勧めしたいです。
何を期待して読める作品か。
『ダーウィンズゲーム』は全30巻。舞台も世界もあちこち飛んで、いろんな要素を楽しめます。
ざっと書いてみると…
・超能力バトル
各キャラクターの異能の名称が中二病的カッコよさ。漢字にフリガナが振ってあるのですが、そのままではなく、「接死の狐(アンタッチャブル)」とか、どうすればそうなるの…? 主人公の「火神槌(ヒノカグツチ)」は読みやすいけど、他にそういうのあったかな…。
敵がどういう超能力なのか、どんな応用が利くのか考えるの好きな人は楽しいかと。
・キャラクターと超能力
そもそもこの超能力がランダムではなく、その人の性質に合わせたものになるというのも面白いところ。主人公のカナメがぶっちぎりでカッコいいのは言うまでもないのですが、可愛いけど容赦ないヒロイン、幼い見た目で思慮深い少女、口は悪いけど情に厚い兄貴、二重人格で性格の振れ幅が大きい幼女、殺し屋一族のお嬢様とその老執事、やたら運のいいミリオタ、などの仲間たち、脇役、悪役にも心に刺さるキャラがいるのではないかと思います。
・デスゲーム
一度始めたら死ぬまでやめられないデスバトルゲーム。作中、いったいどれだけ…
・ガンアクション/ミリタリー
いろんな武器が出てきます。防弾仕様のタイヤを履いた車とか、戦車とか、戦闘ヘリとか。全然知らなくて検索しました。
・ナゾトキ
シブヤで宝探しするイベント。宝石の腕輪に隠された謎の数字が何を示すのか。1回目と2回目の宝探しの比較がまた面白いです。このほかにも、途中は違うんだけど、結果は同じになる展開があって、作中の「世界枝とは何か」をよく説明していて、本当によく練られています。
・サバイバル
シブヤが舞台なことが多いですが、作中で島に送られ、サバイバルしながらハンティングするイベントがあります。うっかり海辺で寝て潮に浸かってしまい、満月のときは満潮が高いから要注意とか「へ~」でした。海のそばに住んでるけど使うことあるかなぁ…
・異世界
異世界から来た人類とのバトルイベント後、捕虜になって異世界へ行くことになります。似て非なる世界と人類。どうやって元の世界に戻るのか。世界を飛ぶことについて、「夢」を見ることも魂が異世界へ行っていると説明していたり、普段よく夢を見る私としては面白い部分でした。わりと夢で働いていることが多くて、起きたとき疲れてたりするんですよね…。楽しい夢が見たい…
・終末の世界
異世界で捕虜になった主人公ですが、もとの世界がグリードに襲われて危険な状態になり、ゲームマスターから呼び戻されます。廃墟のシブヤ。謎の生物。巨大な一眼のマンモスみたいな怪物が、鼻から酸液とか出したり、踏みつぶそうとしたりするんですよ。人類、窮地すぎる…。
・タイムリープ
世界がグリードによってリセット(やり直し)されてしまい、これに対抗するにはグリードを追って世界線を飛ばなければならない→仲間から主人公が選ばれ(この選ばれる理由の1つに、異世界にいたことが挙げられ「伏線だったのかー!」となります。何故かは本編を!)、ダーウィンズゲームを始める前の日常へ戻ります。ここから、仲間を集め、協力してもらい、世界を救うラストへ走り出すのですが、ここでも途中は違うけど、結果は同じという展開が描かれ、1回目はどうだったか振り返りたくなります。
・世界の仕組み
実は大きく「世界を救う話」な『ダーウィンズゲーム』なので、この世界はどのようにできているのか、いろいろな考え方や表現方法が出てきます。世界の中にいる私たちには見えないですが、世界の外に誰かがいるとしたら、どう見ているのでしょうね。
最後に八咫烏がカナメに話しかけていましたが、おそらく世界をつくった創造主…の1人(僕達は見守っているとか言ってましたね)。カナメのつくったチーム(作中では血盟=クランと表現)の名前は「サンセットレーベンズ」でした。なんで夕暮れのカラス達…? と思いつつも気に留めていませんでしたが、八咫烏と共に夕焼けを見て、もとの世界に戻りたいと言うカナメ。これも伏線だったのか…!!
伏線だらけじゃない!
ホントそれ。もしかしてまだ気づいてないことたくさんあるのかもしれません。
途中は違うけど、結果は同じところ。
『ダーウィンズゲーム』にはいろんな世界線が出てきます。
※ダーウィンズゲーム=Dゲームなので、そろそろ略します。
カナメが暮らす世界線でも、
1)カナメがキョウダを助けられなかった世界(これが物語の本筋)
2)カナメがキョウダを助ける世界(ループしたあとの2回目の世界)
3)カナメがDゲームを始めなかった世界
が出てきます。
1)も2)も、GM(ゲームマスター)の至道イザヤは死ぬんですよね…。
3)はカナメではなく、若いセイゲンさんがGMと共にグリードと闘っていた世界だとすると、ここでも至道イザヤは死にます。
しかも、3)の未来の1つがサバイバルしながらハンティングするイベントに出て来た島だとすると…GMデッドエンドっぽいですよね。。
どうあっても、結果は同じ…。すごい。すごいばっかり言ってますね(笑)
あと、物語の圧倒的悪役、エイスというクランを率いる、王(ワン)。
これも、1)だとカナメに、2)だとグリードに、3)もグリードで、このときに異能を奪われている。
必死!!
他にも、仲間はちゃんと仲間になるけどバトルがあったり、クランの最初のバトルがランキング1位なのも同じとか、違う形で展開していくので2回目の世界も先が読めるようで読めなくて、いい意味で期待を裏切られて楽しいです。
というわけで、神作! おすすめです。